知ってた?タオルの古い歴史のお話
2020/05/11
いつも使っているタオル…実は知らないその歴史を辿ってみましょう!
タオルの語源について
「タオル」という言葉は、元は浴布といった意味をもつ、
スペイン語のトアーリャ(Toalla)もしくはフランス語のティレール(Tirer)からきた言葉だといわれています。
また、英語の「Towel」からきている説と諸説あります。
明治初期に英国製のタオルが輸入され始めたという記録が残っていることから
そこからタオルという言葉が広がっていったのではないかと考えられています。
今現在は、布面にパイルがあるテリー織をタオルと呼んでいます。
タオルの発祥はいつごろ?
■『世界におけるタオルの起源』について
タオルの起源は色々ありますが、旧石器時代のスイス湖畔にある住居から
動物の毛や木の皮、亜麻(リネン)などを使用して織られた織物が発見されており、
当時の人びとが手や体をこれらで拭うなどして使われていたのが、タオルの起源ではないかといわれています。
他にも紀元前2000年前後の古代エジプトの墳墓からはリネンテリー(リネンタオル)のような織物が発見されており、
その後には古代ローマやギリシャなどお風呂の文化が盛んだった場所からも
タオルのような織物が使われていたという記述が残されていることが確認されています。
こうやって世界各国、文化の発達と共に人の営みの中に古くから存在していたことが伺えますね。
タオル産業の生い立ち
タオル産業のはじまりは、
1850年に英国人のヘンリー・クリスティーがトルコを旅行した際に出会った手工芸品にあります。
現在よく目にするタオルの原型ともいえるループ状の織物、
このタオルの良質さと可能性に目を留め、母国へと持ち帰りました。
そしてもう一人の立役者、サミュエル・ホルトです。
ヘンリー・クリスティーより相談を受けたホルトは、
ヘンリーと同じようにこの織物に大変興味を持ち可能性を見出しました。
手織りの織機で何度も試織を重ねた結果、現在のようなパイル地のタオル
が出来上がり、「ターキッシュタオル」と名付けられ販売されました。
その後、ホルトはアメリカへと渡りタオル会社を設立しました。
そうしてやがて工業化されたタオル産業はアメリカやヨーロッパを
中心に生産を増やしていきました。
日本におけるタオルのはじまり
タオル自体が日本に輸入されはじめたのは、明治初期頃との記録が残っています。
イギリスより輸入されたコットンタオルは、その柔らかな肌触りと温かさから
高級品とされ、襟巻(マフラー)としても使用されていました。
1880年頃から、日本でもタオル作りをはじめ、試作に工夫を重ね、
1887年頃には、それらが実を結び本格的なタオル産業が盛んになっていきました。
そうして、日本にはいくつかの有名なタオルの産地が発展していきます。
日本の三大タオル産地とも言われる
【愛媛県】〈今治タオル〉
【三重県】〈おぼろタオル〉
【大阪府】〈泉州タオル〉
誰しも一度は聞いたことがあるタオルの名前ではないでしょうか?
それぞれの土地や気候の良さから、良質なタオルを生み出し
日本国内だけでなく世界にも愛される名産タオルとなっていきます。
さて、いかがだったでしょうか?
今や日常に溶け込み、生活に欠かせないタオル。
その歴史は古く、その柔らかな手触りと利便性から
世界中で人々の暮らしに根付いてきたことがわかります。
ぜひ、タオルを使うその時はタオルをめぐる古い歴史に
想いを馳せてみてくださいね!